2026年アサイーブームの罠|流行を追う店が「10年続く資産」になれない経営学的理由

2026年現在、街を歩けば右も左も「アサイーボウル」の看板が目に入ります。かつてのタピオカ、マリトッツォ、そして高級食パン。数年おきにやってくるこの「熱狂」に、夜アイス専門店のオーナーが心揺さぶられるのは無理もありません。

しかし、冷静な投資家としての視点を持つあなたなら、今こそ立ち止まって考えるべきです。

その流行に乗ることは、あなたの店を「10年続く資産」にするのか、それとも「流行と共に消える砂の城」にするのか。

今回は、夜アイスという「ライフスタイル」と、アサイーという「トレンド」の決定的な違いを解剖し、ビジネスを自転車操業に陥らせないための「資産価値」の守り方について語ります。

経営 

まず、私たちが直面している「アサイーブーム」の正体を明確にしましょう。トレンドとは、一時的な熱狂によって需要が爆発し、その後急激に減衰する現象です。

自転車操業のメカニズム

トレンドを追いかける店は、常に以下のサイクルに縛られます。

1.流行の兆し: SNSで話題になり、競合が導入し始める。

2.設備投資: アサイー用の高出力ミキサー、大量の冷凍スペース、専用のトッピング食材を揃える。

3.ピーク: 一時的に売上は上がるが、競合も増え、価格競争が始まる。

4.終焉: ブームが去り、残るのは「使い道のなくなった設備」と「賞味期限の迫った在庫」だけ。

そしてオーナーは、次の赤字を埋めるために「次に流行りそうなもの」を探し始めます。これが、私が警鐘を鳴らす「トレンド追求型の自転車操業」です。この経営スタイルに、オーナーが現場を離れて自由を得る「資産価値」は1ミリも存在しません。

深夜営業

一方で、私たちが手がけている「夜アイス」は、すでにトレンドの域を超え、現代人のライフスタイル(習慣)へと昇華しています。

トレンド(アサイー等): 「今、これが流行っているから食べる」という外部要因の動機。

ライフスタイル(夜アイス): 「一日の終わりに、自分をリセットしたいから食べる」という内部要因の動機。

10年続く店は「習慣」に根ざす

居酒屋での一杯が昭和のインフラだったように、夜のアイスは令和のインフラです。
お酒を飲まない若者、ドライブを趣味とする層、深夜に一息つきたい大人たち。彼らの「生活のルーティン」に組み込まれたビジネスは、爆発的な右肩上がりこそありませんが、極めて高い再現性と継続性を持ちます。

アサイーを導入することは、この安定した「インフラ」の中に、賞味期限の短い「流行」を混ぜ込む行為です。それは、盤石な建物の基礎を削って、派手なアドバルーンを揚げるようなものです。

仕組み

投資家がビジネスを買収する際、何を評価するでしょうか。

それは「今月どれだけアサイーが売れたか」ではありません。「そのビジネスが、5年後、10年後も同じように利益を生み出し続ける確実性があるか」です。

流行を捨てて得られる3つの資産

トレンドへの執着を捨てることで、オーナーは以下の「真の資産」を手にします。

1.オペレーションの固定化: メニューが変わらないからこそ、スタッフは熟練し、オーナーがいなくても現場が完璧に回る。

2.ブランドの純度: 「あそこに行けば、いつもの最高のアイスがある」という顧客の信頼。これが最強の参入障壁となります。

3.予測可能なキャッシュフロー: 流行に左右されないため、来年、再来年の収支予測が立ち、次の一手(多店舗展開や別事業への投資)が打てるようになる。

アサイーを導入して現場を混乱させ、教育コストを跳ね上げ、オーナーが現場に張り付かなければならない状態。それはもはや「資産」ではなく、自分を縛り付ける「重労働」でしかありません。

捨てる

今、あなたの隣の店がアサイーで大行列を作っていたとしても、焦る必要はありません。

その行列は、半年後には別の店に移っています。しかし、あなたの店の「本物のアイス」を求めて週に一度通ってくれる顧客は、半年後も、一年後もそこにいます。

戦略的放置のすすめ

「何もしない」のではありません。「本質以外に手を出さない」という強い意志を持つのです。

・アサイーを導入するリソースがあるなら、アイスのベースミックスの質をさらに1ランク上げる。

・新しいミキサーを買う資金があるなら、夜の路地を美しく照らす照明デザインに投資する。・

トレンドを追う時間があるなら、スタッフとの対話を深め、接客の温度を1度上げる。

こうした「見えない資産」への投資こそが、数年後に「あのブームの時にアサイーに逃げなかった店が、結局一番強い」と言われる結果を生みます。

仕組み

これまで全4回にわたり、夜アイス経営の真髄を語ってきました。

オペレーションの純度を守り、
ブランドの解像度を磨き、
冬の赤字に怯えない店舗設計を行い、
そして、流行という甘い罠を退ける。

これらすべてに共通するのは、「目先の数字(売上)」よりも「構造の強さ(利益と資産価値)」を優先するという、プロの経営者としての姿勢です。

2026年のアサイーブームは、やがて静かに去っていくでしょう。その後に残るのは、流行を追いかけて疲弊した店の残骸か、それとも、変わらぬ明かりを灯し続け、地域住民の日常に溶け込んだあなたの店か。

答えは、今日のあなたの「決断」の中にあります。


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