2025年も残すところあとわずかとなりました。
アサイーボウルやグリークヨーグルトなど「ヘルシー志向」が席巻した2025年のスイーツ市場。
その一方で、静かに、しかし確実に地方都市の夜を照らし続けたのが「夜アイス・夜パフェ」専門店です。
かつて社会現象となったタピオカブームが去った今、投資家や独立開業を目指す方々が最も気になるのは「夜アイスは一過性のブームで終わるのか？ それとも日本の夜の食文化として定着するのか？」という点ではないでしょうか。
今回は、農林水産省の統計やZ世代のトレンド予測データを紐解きながら、2026年のスイーツ市場予測と、競争が激化する中で「生き残るスイーツフランチャイズ（FC）」の条件を徹底解説します。
2025年の振り返りと2026年スイーツ市場の展望
「ヘルシー」と「背徳感」の二極化が進んだ2025年
2025年のスイーツトレンドを振り返ると、Z世代を中心に「グリークヨーグルト」や「アサイーボウル」といった健康志向（ウェルネス）の商品が爆発的なヒットを記録しました。
一方で、その反動として根強い支持を集めたのが、「夜アイス」に代表される「背徳感（ギルティ）」スイーツです。
「一日の終わりに、自分へのご褒美を」という心理的ニーズは、景気動向に関わらず不変のものであることが証明された1年でした。
2026年予測：アイスクリームは「嗜好品」から「日常習慣」へ
市場調査データによると、日本のアイスクリーム市場規模は2025年から2033年にかけて年平均2.7%の安定成長が見込まれています。
特筆すべきは、アイスクリームが単なる「夏の涼」から、「通年楽しめるナイトルーティン（夜の習慣）」へと変化している点です。
2026年、この流れはさらに加速すると予測されます。飲み会後の「締めラーメン」が健康意識の高まりで敬遠される中、その代替としての「締めパフェ・夜アイス」は、もはやブームではなく「現代の新しい食文化」として定着フェーズに入ると見られています。
「ポストタピオカ」論争に終止符。タピオカと夜アイスの決定的な違い
多くのFC検討者が懸念する「タピオカの二の舞にならないか？」という問いに対し、明確な違いが2つあります。
1. 「ファッション」か「地域密着」か
タピオカは「持ち歩くファッション」として渋谷・原宿などの都心部で消費されました。対して、夜アイスの成功事例の多くは、住宅街や地方ロードサイドです。
「映え」はきっかけに過ぎず、本質は「お風呂上がりやジム帰りに、ジャージで寄れる場所」という地域密着性にあります。
観光客相手ではなく、近隣住民のリピートによって成立するビジネスモデルである点が、タピオカとの決定的な違いです。
2. 圧倒的な原価率と廃棄ロスの差
タピオカは茹でた後の賞味期限が短く、廃棄ロスが経営を圧迫する要因となりました。
一方、ソフトクリームやアイスは冷凍保存が可能であり、廃棄ロスは限りなくゼロに近づけることができます。
原価率が高騰する飲食業界において、利益率30%超を狙えるこの収益構造の強さは、2026年以降も大きな競争優位性となります。
2026年、生き残るスイーツFCの条件とは？
市場が成熟する2026年、単に「夜アイスのお店」というだけでは生き残れません。
数あるフランチャイズの中から、どのブランドを選ぶべきか。
その条件は以下の3点に集約されます。
①「体験」を提供できるブランド力
スーパーやコンビニのアイスも進化する中、わざわざ店舗に足を運ぶ理由は「体験」にしかありません。
「目の前でモンブランを絞る」「自分好みにトッピングをカスタマイズできる」といったライブ感やエンターテインメント性を持つブランドだけが、SNSでの拡散と来店動機を維持し続けることができます。
②人件費高騰に耐えうる「省人化オペレーション」
2026年も最低賃金の上昇は避けられません。
職人技術が必要なクレープや複雑なパフェではなく、「アルバイト1名（ワンオペ）でも高品質な商品が提供できる仕組み（マシンやCKの活用）」が確立されているかが、黒字経営の生命線となります。
③「商品力」への回帰
初期のブーム時は「見た目」だけで集客できましたが、文化として定着するフェーズでは「味」がシビアに評価されます。
「北海道産生乳100%」や「独自配合のミックス」など、リピーターを納得させるだけの本質的な商品力を持った本部を選ぶことが、長期安定経営への唯一の道です。
2026年の「勝ち馬」を見つけるために
「夜アイス」は一過性のブームを乗り越え、日本の夜のインフラになりつつあります。
しかし、参入障壁が低い分、本部の選定を誤れば撤退のリスクも高まります。
ネット上の情報だけで判断せず、実際にそのブランドの「味」を確かめ、本部の「戦略」を聞くことが重要です。
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