会社員から独立を考えている方、法人の事業拡大としてフランチャイズで新規事業立ち上げを真剣に考えている方に、「フランチャイズなのになぜ失敗してしまうのか」をわかりやすく解説していきます。
容易に開業できるフランチャイズだからこそ、陥ってしまうことも解説していきます。
フランチャイズだから失敗する理由

フランチャイズは、すでに成功している企業の知名度やノウハウを活用することができるいわば「成功が約束されている」ようなビジネスモデルです。
そんなフランチャイズだからこそ失敗するケースがあります。
その大きな理由のひとつが、フランチャイズ加盟店が「自分で経営している」という意識を失ってしまうことです。
フランチャイズの最大の強みは何といっても、本部が蓄積したノウハウを活用することで、事業経験がない人でも早期に事業を立ち上げ、成功する確率を高められることです。
ただし、その「成功しやすい」というイメージが強すぎるあまり、フランチャイズに加盟すれば「何もしなくても勝手に売上が上がり成功する」という勘違いをしてしまい、失敗をするケースもあります。
これはまさにフランチャイズだからこそ起きる失敗と言えます。
ここからは、そうした失敗の原因と、実際にあった事例をお伝えしていきます。
フランチャイズ失敗の原因は「加盟したら儲かる」という誤った認識

経営をしなくなってしまう、できなくなってしまう大きな原因は、「フランチャイズに加盟すれば儲かる」という誤った認識にあります。
なぜそのような勘違いが生まれてしまうのか。
それは、フランチャイズの確立されたビジネスモデルや、フランチャイズ本部のサポートに安心してしまうことが考えられます。
フランチャイズは誰にでも事業が始められるように仕組み化されています。
例えば、飲食店であれば、運営オペレーションや接客などがマニュアル化されてるため、未経験の方でも運営することができます。
しかし、その手軽さこそが落とし穴になることもあります。
例えば、オーナー自身はお店に入らず、正社員やアルバイトにお店を任せるケース。
「フランチャイズだから仕組みももしっかりしているから大丈夫だろう…」と現場を任せきりにしていると、「あれ、売上は良いのに、利益が少ない」という事態に陥ることがあります。
また、フランチャイズ本部のサポートは経営をする上で心強い味方ではありますが、実際に実行をしていくのは加盟店自身になります。本部がやってくれると間違った認識でいると、100%成功は望めません。
加盟店の経営において、集客、人材育成、数値管理など取り組むべきことは多くありますが、自身でコントロールして進めていくことが大切です。
確立されたフランチャイズビジネスは、加盟後にしっかりと経営に取り組むことで、収益をつくることができます。「加盟しただけで儲かる」という考えは捨てるようにしましょう。
フランチャイズで「失敗しないため」に心がける3つのポイント

ここまで、フランチャイズで失敗してしまう原因や背景について見てきました。
自身で経営をしていくことが重要であるとお伝えしましたが、実際に失敗しないために実践すべき3つのポイントをご紹介します。
独立した事業であると理解する
「自身で経営をする」ということは当たり前のように思えますが、これを十分に理解しないまま加盟してしまうことも少なくありません。
フランチャイズ本部と加盟店は、ビジネスパートナーではありますが、資本関係や支配関係はなく、それぞれ独立した事業者になります。
この関係性を理解することは大切であり、加盟したからといって経営を全て任せられるわけではありません。店舗の運営、人材採用や教育、経理など自身で行う必要があります。
例えば、オーナー自身が店頭に立ち運営するのか、店長を育てお店を任せるのか、2、3店舗と拡大していくのか、その時の組織はどうするかなどの判断は自身でしなくてはいけません。
迷った時には、本部に相談をすることも大切です。
フランチャイズ本部と積極的にコミュニケーションを取る
「自身で経営をする」ということは大切ですが、「相談をせず全て自分の考えで進めていく」のはリスクが伴います。
経営をしていく中で、売上に不安を覚えたり、人材教育がうまくいかなかったりと課題が出てきます。
改善策を自身で考えて実行するということは大切ですが、本部はいくつもの加盟店を支援し、同じような課題に対する解決策を持っていることもあります。
事業を成功に導くためにも、本部とコミュニケーションを密に取り経営を進めていきましょう。
数字の管理を習慣化する
売上や経費、人件費など数字を管理することは経営をする上で非常に大切です。
数字を見ることで、現在の店舗の状況を客観的に把握することができます。
例えば、前月と比べ利益率が数%落ちていた時に、数字を把握していることで、何が問題なのかをすぐ検討することができます。
飲食店であれば
「仕入れが多すぎる?」
「オペレーションが悪い?」
「価格の見直しが必要?」
といったような具体的な要因を特定しやすくなります。
ここでポイントなのは、常に管理していることです。
数字を管理していることで異変に早く気づくことができ、早急に対応することができます。
【事例】加盟店が陥りやすい意識

ここまで、フランチャイズで失敗してしまう要因を見てきましたが、これらは実際に現場で起きていることです。
フランチャイズ事業は店舗が多いです。
店舗型ビジネスの場合、新規顧客とリピーターの獲得は非常に重要なポイントです。
例えば、飲食店であればSNSを活用し集客していくということが当たり前になってきました。
フランチャイズ本部の中には、SNS集客でのサポートをしてくれたりするところもあります。
ただし、「本部がSNSで集客をしてくれるから大丈夫」といって頼りすぎは禁物です。
「本部に任せていれば…」と店舗で実施できる施策を考えなくなると、売上を継続的に伸ばしていくのは難しくなります。
現場で、「来ていただいたお客様にどうやってリピーターになってもらうのか」を真剣に考え取り組むことが非常に重要です。
・料理や商品ひとつでも、盛り付けはきれいにできているか。
・お客様が写真を撮りたいと思える見栄えで作れているか。
・また行きたいと思える接客ができているか。
フランチャイズ加盟当初には意識できていたことも、時間が経つにつれただこなす作業になってしまいがちです。
「現場でお客様を作る」「お客さんを持ってくる」という考えのもと運営しなければ、本部のサポートもその効果を発揮することは難しくなります。
また、何より地域のお客様を知ることができるのは現場にいる加盟店になります。
集客方法だけでなく、営業時間を変更したり、価格を変更したりと地域によって施策も様々です。
そういった施策を本部と一緒に検討し実行していくことで繁盛するお店を作っていくことができます。
今回の事例のように、フランチャイズだからこそ起きる、「本部に任せきり」になるケースは少なくありません。
もちろん、そうなっている時にフランチャイズ本部がしっかりと伝えられることも大切ですが、まずはお互いが独立した事業であり、自分で経営をしていくという意識を持ち、事業に取り組むことが何よりも大切です。
フランチャイズ本部と加盟店で事業の柱へ育てる

ここまでフランチャイズ事業が失敗する理由や要因、対応策などをお伝えしてきました。
「フランチャイズ本部と加盟店は協力する存在」とよく言われますが、そのためにはお互いが同じ方向を向き本気の思いを持ち事業に取り組むことが重要です。
依存するような関係性だと良い事業でも失敗する可能性が高まります。
まずは、自分で経営をするという意識を持ち、本気で経営サポートしてくれるフランチャイズ本部をみtけましょう。
そして、加盟後は、お互いがコミュニケーションを取り、それぞれの役割を全うしながら事業を発展させていきましょう。