【始まり】~子どもの頃の思い出から~

私にとってソフトクリームは、子どものころに祖父や祖母とおでかけしたときに買ってもらえるご褒美でした。今思えば、特別に素材や製法にこだわりのあるようなものではなかったかもしれません。それでも、出かけた先で食べたソフトクリームは幼かった私にとってとても特別なものでした。

そして、学生時代や社会人のときはオートバイで全国各地を巡り、ご当地ソフトクリームを食べることは、旅の楽しみのひとつになっていました。

【打診】~オーストラリアでの気づき、そして運命の連絡~

30代半ばとなり、私は仕事でオーストラリアに渡りました。そこでソフトクリームを探したのですが、ジェラートやアイスクリームはあるものの、「おいしいソフトクリーム」がなかなか見つかりません。

毎日のようにジェラート店やアイスクリーム店、ソフトクリーム店を巡るなかで「日本のソフトクリームってレベルが高いんだ」「いつかおいしいソフトクリームのお店を持ちたい」という思いが芽生えてきたのです。

そんなある夏、大阪のソフトクリーム店から「お店を買ってほしい」と打診がありました。

当時はオーストラリアで会社を経営していたため一度は断りましたが、半年後「閉店の危機にあるので再度検討してほしい」と連絡を受け、日本に戻ってソフトクリーム店をやることを決意しました。そのお店が今のCream Festの前身である「くりむず」でした。

【挑戦】~このソフトクリームに足りないものは何か~

大阪に戻ってきてからというもの、毎日のようにソフトクリームのお店に行き、おいしいものを探しました。しかし、

「水っぽい」

「牛乳臭い」

「食べ放題のソフトクリームと同じ」

「ソースでごまかしている」

といった、物足りなさや不満を感じるものばかりでした。

そこで、乳製品のメーカーと相談し、色々なソフトクリームを試しました。牛乳や生クリームを贅沢に使用したソフトクリームを作り、販売することとなりました。

最高においしいソフトクリームを作ることができた。

しかし、それでも「何かが足りない」と感じていました。

転機は、香川へうどんを食べにいった帰り道、淡路島のサービスエリアで食べたソフトクリーム。毎日ソフトクリームを食べていた私は、機械や販促物を見ただけでメーカーがわかり、食べればどのランクの素材を使っているかがわかるようになっていました。しかし、このサービスエリアで明石海峡大橋の目の前、対岸の神戸の街を眺めながら食べたソフトクリームは、「おいしい」と思わず言ってしまうほどでした。

このとき、私は気づいたのです。最高のソフトクリームとは、ただ味が良いだけではない。「どこで、誰と、どんな気持ちで食べるか」という『体験』そのものが大切だと。

そして、これこそが当時の自分のソフトクリームに欠けていた要素でした。

【誕生】~店名「Cream Fest」に込めた想い~

この気づきこそが、Cream Festの原点です。

その体験から、店名の「Cream+Fest」には「最高のソフトクリームを、まるでフェスティバルのように心が躍り、また行きたくなるような楽しい空間で提供したい」という想いを込めました。

ただおいしいだけでなく、お客様にとって忘れられない心に残る『体験』を届けたい。この想いから接客を大切にし、350通り以上の組み合わせが楽しめるカスタムパフェを用意しました。

【未来】~一期一会を大切に~

ソフトクリームという商品は、すぐに食べないと溶けてしまいます。

その一瞬一瞬の大切さは、まさにCream Festがお客さまに抱く想いそのものです。

「ソフトクリームは一期一会の食べ物。」

この想いで営業を続け、ようやく地域に根差したお店になってきました。ありがたいことに、私のこの想いを若いスタッフさんたちも引き継いでくれています。

今では大阪から始まったCream Festの想いが、京都、福岡、愛知へと広がっています。

大阪のお客さまだけでなく、全国のお客さま、そして地域の方、取引業者の方、フランチャイズのオーナーさまにも、この想いを届け、この幸せな時間をたくさんの人々に届けていきたいと願っています。

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